2011年03月18日
村上龍~危機的状況の中の希望
外国人から感動の声続々、村上龍のニューヨーク・タイムズへの寄稿文より紹介します。
すばらしいメッセージ。
http://www.timeout.jp/ja/tokyo/feature/2581/
2011年03月18日 (金) 掲載
ニューヨーク・タイムズのThe Opinion Pageに、作家 村上龍の寄稿文が掲載された。
これを読んだタイムアウト東京のエディトリアル・ディレクター、ジョン・ウィルクスは、
「とても誠実な文章だと思う。災害について行き過ぎた大げさな報道をしているイギリスのメディアでは見られなかった内容だ。今すぐ彼をハグしたい気持ちだ。」
と共感とリスペクトを表した。
タイムアウト東京には、ツイッターを通じて、外国人フォロワーから、「涙しました」、「これこそ、今読むべき記事だ」などのメッセージが寄せられている。
震災の後、ネットやツイッターを通じてメディアや個人の発信する様々な情報が錯綜している。
多くの人々が、何を信じていいのか、何が真実なのかという不安とこれからの将来への不安に心を悩ませているようだ。
村上龍のこの寄稿文は、そういった人たちに安堵と希望をあたえてくれるに違いない。
タイムアウト東京では、この素晴らしいメッセージが少しでも多くのみなさんに届いて欲しいと言う思いから、日本語に翻訳し、ここに掲載する。
日本語版掲載にあたり、村上龍氏、ニューヨーク・タイムズ紙には、助言と協力を頂いたことを心から感謝致します。
危機的状況の中の希望
村上龍
先週の金曜、港町・横浜にある我が家を出て、午後3時前、いつも行く新宿のホテルにチェックインした。
普段から私はここに週3~4日滞在し執筆活動やその他の仕事をしている。
部屋に入ってすぐに地震が起きた。
瓦礫の下敷きになると判断し、とっさに水とクッキー、ブランデーのボトルをつかんで頑丈な机の下にもぐりこんだ。
今にして思えば、高層30階建てのビルの下敷きになったらブランデーを楽しむどころではないのだが。
だが、この行動によってパニックに陥らずにすんだ。
すぐに館内放送で地震警報が流れた。
「このホテルは最強度の耐震構造で建設されており、建物が損傷することはありません。
ホテルを出ないでください」
という放送が、何度かにわたって流された。
最初は私も多少懐疑的だった。
ホテル側がゲストを安心させようとしているだけではないのかと。
だが、このとき私は直感的に、この地震に対する根本的なスタンスを決めた。
少なくとも今この時点では、私よりも状況に通じている人々や機関からの情報を信頼すべきだ。
だからこの建物も崩壊しないと信じる、と。
そして、建物は崩壊しなかった。
日本人は元来“集団”のルールを信頼し、逆境においては、速やかに協力体制を組織することに優れているといわれてきた。
それがいま証明されている。
勇猛果敢な復興および救助活動は休みなく続けられ、略奪も起きていない。
しかし集団の目の届かないところでは、我々は自己中心になる。まるで体制に反逆するかのように。
そしてそれは実際に起こっている。
米やパン、水といった必需品がスーパーの棚から消えた。
ガソリンスタンドは枯渇状態だ。品薄状態へのパニックが一時的な買いだめを引き起こしている。
集団への忠誠心は試練のときを迎えている。
現時点での最大の不安は福島の原発だ。
情報は混乱し、相違している。スリーマイル島の事故より悪い状態だがチェルノブイリよりはましだという説もあれば、放射線ヨードを含んだ風が東京に飛んできているので屋内退避してヨウ素を含む海藻を食べれば放射能の吸収度が抑えられるという説もある。そ
して、アメリカの友人は西へ逃げろと忠告してきた。
東京を離れる人も多いが、残る人も多い。彼らは「仕事があるから」という。
「友達もいるし、ペットもいる」、他にも「チェルノブイリのような壊滅的な状態になっても、福島は東京から170マイルも離れているから大丈夫だ」という人もいる。
私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。
家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。
彼らが私に勇気をくれているように。
今この時点で、私は新宿のホテルの一室で決心したスタンスを守るつもりでいる。
私よりも専門知識の高いソースからの発表、特にインターネットで読んだ科学者や医者、技術者の情報を信じる。
彼らの意見や分析はニュースではあまり取り上げられないが、情報は冷静かつ客観的で、正確であり、なによりも信じるに値する。
私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。
「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。
今は逆のことが起きている。
避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。
東京も物や電力が不足している。
生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている。
だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。
だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。
だから私は信じていく。
原文
www.nytimes.com/2011/03/17/opinion/17Murakami.html
編集部注:小説の場面訳は『希望の国のエクソダス』より
(以上)
東京では奪い合い、被災地では分け合い。
拝金主義や利己主義がなんだったのか気付かされる時期に来ていますね。
自分さえ良くたってなんにもない。
青山繁春さんが、若者に向けて「自分のためだけに生きるのではなく、人のために生きてください」
とメッセージされていたのを思い出しました。
希望を持っていきましょう。
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東北関東大震災義捐金
■日本赤十字社
http://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00002069.html
<<<義援金窓口1 郵便局・ゆうちょ銀行>>>
口座記号番号:00140-8-507
口座加入者名:日本赤十字社 東北関東大震災義援金
取扱期間:平成23年3月14日(月)〜平成23年9月30日(金)
※郵便局窓口での取り扱いの場合、振替手数料は免除されます。
※郵便窓口でお受取りいただきました半券(受領証)は、大切に保管してください。
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詳しくはhttps://www.0553.jp/jrc/paymentをご覧ください。
※「寄付目的」の選択項目で、救援金名を指定してください。
※寄付金額は、2,000円以上から受け付けています。
[担当窓口]日本赤十字社 東北関東大震災義援金担当
Tel: 03-3437-7081 E-mail: info@jrc.or.jp
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日本語版掲載にあたり、村上龍氏、ニューヨーク・タイムズ紙には、助言と協力を頂いたことを心から感謝致します。
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村上龍
先週の金曜、港町・横浜にある我が家を出て、午後3時前、いつも行く新宿のホテルにチェックインした。
普段から私はここに週3~4日滞在し執筆活動やその他の仕事をしている。
部屋に入ってすぐに地震が起きた。
瓦礫の下敷きになると判断し、とっさに水とクッキー、ブランデーのボトルをつかんで頑丈な机の下にもぐりこんだ。
今にして思えば、高層30階建てのビルの下敷きになったらブランデーを楽しむどころではないのだが。
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という放送が、何度かにわたって流された。
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だが、このとき私は直感的に、この地震に対する根本的なスタンスを決めた。
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そして、建物は崩壊しなかった。
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原文
www.nytimes.com/2011/03/17/opinion/17Murakami.html
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(以上)
東京では奪い合い、被災地では分け合い。
拝金主義や利己主義がなんだったのか気付かされる時期に来ていますね。
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とメッセージされていたのを思い出しました。
希望を持っていきましょう。
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Tel: 03-3437-7081 E-mail: info@jrc.or.jp
Posted by 小象 at 22:48│Comments(0)
│日々の出来事