2009年05月25日
循環無端

トルコでは、119年前にエルトゥールル号の事故で日本人に助けられたことが、今も子供たちはもちろん、トルコの人たちは、皆その恩を知っていて、その恩をお返ししようとイラン・イラク戦争のときに、トルコの航空機が飛んで、215名の日本人を危機一髪で救ったという話を書きましたが、その続きがありまして・・・
その5年後、トルコ大地震がおきました。
今度は、その時に助けられた日本人達が皆で、義捐金を集めてトルコに送りました。そしてまたそこで感謝されたということです。

武術家の宇城憲治師範の著書に『武術を活かす』によると、
循環無端という言葉があります。
これは闘戦経という、西暦一千年頃につくられた日本最古の武経の正典による考えですが、 循環すなわち、めぐりめぐって端無し。
無限に行き詰まることは無い。循環無端とは、現象的には相対立する二つのものが相互に循環し交流する、いわば自他の相対を超えたところに良き循環が生じ、創造的世界が開けてくることを教えているものです。
と書いてあります。
そして、循環無端に見る例として、エルトゥールル号の話をあげられています。
結びには、
『世界にとって愚かなことは、人が人を殺し合うという戦争です。
武術は人を殺せる技でもありますが、その本質は、「自分を守る」ことにあります。
自分を守るという心は、家族を守り、国を守り、世界を守る、ひいては、戦争をしないという心につながります。
武道修行の究極は、ここにあります。
すなわち、和歌山の串本に端を発した循環無端の輪をつくることです。
武道にはそのような心と身体をつくるエネルギーがあり、だからこそ、我々は武道を通して世界に貢献ができ、発信ができると思っています。 』
とありました。
私も、空手をやっていますが、武術を研究するものとして、この宇城師範の話は、とても心に響きました。
心も体も弱いので空手を始め、黒帯ととり、指導員をやっていますが、まだまだです。
更に日々研鑽して、人の役に立てるようになりたいと思います。
Posted by 小象 at 19:10│Comments(0)
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